Keyboard shortcuts

Press or to navigate between chapters

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

偏微分方程式

Important

この章を読む前に

この章を読むには、以下の章を先に読んでおく必要があります。

現実の物理現象の多くは、時間だけでなく空間( )にも依存する偏微分方程式 (Partial Differential Equation, PDE) として記述されます。

偏微分方程式の分類

物理学で現れる主要なPDEは、数学的な性質から以下の3つに分類されます。

  1. 放物型 (Parabolic)

    • 例:拡散方程式(熱伝導方程式)
    • 時間とともに情報が広がり、平滑化される現象。
  2. 双曲型 (Hyperbolic)

    • 例:波動方程式
    • 情報が波として有限の速度で伝播する現象。
  3. 楕円型 (Elliptic)

    • 例:ポアソン方程式
    • 静的な場の分布を記述し、領域全体の境界条件によって解が決定される。

本章の構成

  1. 差分法の基礎 偏微分を格子点上の差分で近似する基本的な考え方と、安定性の概念について学びます。

  2. 拡散方程式 時間発展を追う放物型方程式の解法(陽解法と陰解法)を学びます。

  3. 波動方程式 波の伝播をシミュレーションする双曲型方程式の扱い方を学びます。

  4. 楕円型方程式 静的なポテンシャル分布を求める手法(反復法など)を学びます。

作業テーマ

作業ディレクトリは ~/rust-computational-physics-work/ からの相対パスです。 ユニットテストで確認する具体的なケースは、解析解、境界条件、許容誤差の観点からAI coding agentと相談して決めます。

テーマ作業ディレクトリ構造化するコードユニットテスト演習拡張演習
差分法の基礎pde/finite-differenceidx, central_diff, laplacian_1d小さい格子でstencilを手計算と比較する境界条件を切り替えられる形にする
拡散方程式pde/diffusionstep_ftcs, check_cfl, mass安定条件と質量保存の目安を確認する時間発展をCSVに出力する
波動方程式pde/wavestep_wave, energy, apply_boundary小さい格子で初期ステップを確認する反射境界と固定境界を比較する
楕円型方程式pde/ellipticjacobi_step, residual, apply_boundary既知境界の小さい問題で残差を確認するresidual履歴をCSVに出力する

検証と実装の観点

偏微分方程式では、数値スキームだけでなく、格子、境界条件、添字の対応が 正しいかを確認します。境界の1点のずれが、安定性や保存量に大きく影響します。

  • 小さい格子で、stencil、boundary、linear indexを手計算と比較する。
  • 拡散方程式や波動方程式では、CFL条件と刻み幅依存性を確認する。
  • 楕円型方程式では、反復回数だけでなくresidualと境界条件を確認する。
  • grid shape、spacing、time step、boundary conditionをmetadataとして保存する。